作品紹介

こどもたちの笑顔 私たちの微笑み
 みんなみんなあつまって さあ劇を観よう

「らくりんの花」作詞・作曲 上野哲生

いっしょにいこうよ

人間に酷い扱いを受けた
4匹の年老いた動物たちが
自由と希望の国ブレーメンを
目指して旅立つ物語

作/デビッド・ホールマン
伊藤巴子編・倉原房子訳『D・ホールマン作品集2』所収、一葉社刊
演出/印南貞人
音楽/上野哲生
照明/石田道彦
イラスト/齋藤晶

[上演時間] 80分(途中休憩10分間含む)

あらすじ

 

人間から『役立たず』といわれ
放りだされた動物たち
ロバは明朝には骨と皮を売られ
イヌはご主人に騙されてクマの餌に
ネコは川に捨てられ
オンドリは夕ご飯のおかずに
そんな年老いた4匹が出会い
初めて自分のために
自分の意思で
生きるために逃げ出した
自由の国ブレーメンへ
自分たちの可能性を信じて
旅に出た

 演出家より 

新世界に向かって

演出:印南 貞人(東京芸術座演出部・劇団らくりん座顧問演出)

 薄暗い土間の石臼に重い杵の落ちる単調な音が響きます。ロバは力を振り絞って一歩いっぽと歩きます。「ウィー、ウィー」「ギーゴットン、ゴットンギー」と――。
 ある日、旅の音楽師が水を求めてやってきます。「いい声だね、年寄りロバさん」「君の為にお金を払うよ」彼はロバの歩調に合わせて楽器を弾いてくれます。ロバは20年間「目隠し」をされたまま外の社会から閉ざされ続けていました。今初めて「メロディーのある世界」を知ります。「そうだブレーメンへ行こう」と自らくびきを絶ちきって、アーティストになる旅に出ます。犬と猫と鶏と一緒に――。ハーモニーを作るという喜びを抱いて—-。
 「さあ!悪友達、ブレーメンへ行こう!自由を求めて」
 この作品も音楽は上野哲生氏に創っていただきました。訓練も兼ねて。
――私は旅の音楽師が上野先生とダブります。また新しい世界を拓いてくれました――。

 音楽家より 

「いっしょにいこうよ」の音楽について

音楽:上野 哲生(ロバの音楽座メンバー)

今回は「ブレーメンの音楽隊」の結成話を描く作品です。自由を求めて一緒にプロの音楽家としてやっていこうと決める瞬間ですから、それぞれの登場人物(動物)の音楽的出会いを描く事になります。音楽の専門家ではない劇団の役者たちが音楽で認め合うところを描くのは、かなりハードルの高い事だと思います。

今回、楽器を演奏するだけではなく、それぞれの役に応じた歌声(鳴声)のフレーズが重なり合い、四声部でハーモニーを作ると言う事に挑戦しました。音と音とが重なり合さってだんだん一つの音楽になっていく瞬間を録音でなく生で見せられたら、観る人たちの心にどれだけリアルに響くことかと思います。「おこんじょうるり」での三味線の大合奏など、今まで何度と無理難題を越えて音楽に力を注いできた「らくりん座」です。コンサーティナ、マンドリンなど、殆どのメンバーが初めて弾く楽器を披露し、なおプロさながら生で歌いハモり、ああ、役者ってここまでやれるんだと思えるように仕上る予定です。良かったら思いっきり拍手をしてあげて下さい。

 編集者より 

無法者といっしょにいこうよ

編集:和田悌二(一葉社・編集者)

 この劇の原作は、グリム童話のあの有名な『ブレーメンの音楽隊』。作者ホールマン唯一の翻案物。そのホールマンがつけた元の題名は「無法者」……なぜ?
 主人公のロバ、イヌ、ネコ、ニワトリは、実はみんな「無法者」。主人の役に立たなくなったら殺されても仕方ないという家畜としての「法」を破って逃げ出したから。生き続けるために。
 でも、本当は「法」より上のものがある。それが「自然法」。「自然法」の中核をなすのは「公共」。「公共」とは人権=生き続ける権利のこと。
 だから「いっしょにいこうよ」とは「いっしょに生きていこうよ」。誰でもみんな、かけがえのない固有の何かを持っている。それだけで、生き続けていい。なき声だって、その立派な何かだから。
🎵ウィー、ワゥー、ニャオー、コッココー!

お手紙・ご感想

とてもすてきな劇を見て感動しました。特に目が見えないと思っていたロバの目かくしがはずれて、月の光を見たときが一番感動しました。
 ぼく達が当たり前のように見ている月を見たときのロバの気持ちを想像する事で、その時の喜びが伝わってきました。また、きれいな歌声にも感動しました。それぞれの動物の声が体育館にひびきわたり、とてもすがすがしい気持ちになりました。

【栃木県大田原市 小学六年生】

「いっしょにいこうよ」を見て学んだことがあります。それは、「はげましあう力」「人のことでも自分のことのように喜ぶこと」です。4人の心が1つになって、すごく明るいような気がしました。これからは私も協力し合って、1つの明るい心を目指していきたいです。

 【栃木県宇都宮市立 小学五年生】

ロバさんが目みえるようになってよかったです。しあわせにこれからも4ひきで、なかよくうたをうたってほしいです。

 【栃木県宇都宮市立 小学一年生】

私は皆さんの劇を見て「この大変な世の中でも、こんなに人を楽しませてくれるものがあるんだ」と思って感動しました。そして、私もみなさんのように、みんなを楽しませられるような明るい人になりたいと思いました。

 【栃木県那珂川町立 小学六年生】

感動しました。どうしてかというと、ロバもイヌもネコもオンドリも音楽をするために、生きるために協力して、泥棒を追い出したからです。「自分の個性を生かして、音楽をやり、そして泥棒を追い出す」とても勇気があり、すごいと感動しました。自分はあまり勇気が出せません。でも動物たちのように自分を信じて、勇気を出して、立ち向かっていきたいです。

 【栃木県那珂川町立 小学五年生】

実際に目の前で歌ったり演奏したりするのを見ると、その面白さにひきこまれました。はじめは飼い主の役に立つことばかりを望んでいた動物たちが、しだいに自分たちの生き方や命を大切に思えるようになり、最後は泥棒たちから家をうばうなど、思わずくすっと笑える終わり方でとても楽しかったです。

 【栃木県大田原市立 小学六年生】

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